Mozilla Flux

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例によってコードフリーズが遅れている(Firefox 3.5 RC1)

いつものことなので驚きは少ないが、Firefox 3.5 RC1は予定の期日を過ぎてもコードフリーズに至っていない。Firefox 3.5のBlockerバグは現在23個あるが、コードフリーズの障害になるものはうち12個とみられる。ただ、別のソフトやWebサイトが絡んだ問題もその中に含まれており、外部との折衝が必要なそれらのBlockerは、RC1での修正を見送られる可能性も充分にある。つまり、修正すべきバグは実質的に10個未満である。

また、Trunkで修正されつつBranchでは未了のバグも大幅に整理され、わずか2個になった。こちらはゼロになるのも時間の問題といえよう。

こうした状況からすると、米国太平洋夏時間を基準にしたとき(以下同様)、早ければ22日中、遅くとも23日にはコードフリーズに到達するだろう。Mozilla Japanのdynamisさんは日曜日(24日)まで延期のアナウンスが出たと述べている(『Firefox 3.5 Final に向けて』)けれども、そこまでずれ込むことはないように思う。

もしコードフリーズが24日になれば、QAを25日に開始できない。この場合、『Firefox 3.5 RC1のリリースは6月5日の可能性大』で紹介したプランの枠外となり、下手をするとリリースが6月第2週になってしまう。しかし、まだそこまできわどい事態にはなっておらず、QAチームの作業の進捗状況がスケジュールに与える影響のほうが大きい。6月5日のリリースが最有力である点は揺らいでいない。

RC1の後はどうなるだろうか。dynamisさんは上の『Firefox 3.5 Final〜』で「まだ続くであろうRC2」という表現を使っている。正式版の前にRC2が出るだろうとの読みだ。たしかに、リリース候補版が出ることでユーザがぐっと増え、それに伴ってバグ報告も増えれば、対処のためRC2を出すことは当然あり得る。

しかし、筆者はよほどのことがない限りRC2はリリースされないと考えている。Firefoxの開発責任者たちは、明らかに6月中のリリースにこだわっている。ところが、Firefox 3のときの経験では、RC1のリリースが5月16日、RC2が6月4日で、RC3は6月11日だった。RC3を正式版に置き換えてFirefox 3.5に当てはめると、7月に入ってしまう。もちろん同じペースになるとは限らないわけだが、少なくとも6月中に出せる保証はなくなる。開発責任者たちはこうした状況を嫌うだろう。

嫌わないのなら、Beta 5を出してもよかったはずだ。最終β版であると宣言し、IT系メディアへの露出を増やしてユーザーへの参加を促し、フィードバックを集めることができたはずなのだ。それをしなかったのは、6月中のリリースを重視したからに他ならない。

致命的なバグが見つからないのであれば、多少のことには目を瞑り、RC2を出す代わりに正式版とするだろう。早ければ6月第2週の終わり、遅くとも6月第4週の半ばにはFirefox 3.5がリリースされると予想する。