Mozilla Flux

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リリースから一ヶ月半で3000万ユーザーへ

先日、Firefoxを日々利用しているユーザーの数が約9000万人であることを紹介した(『Mozilla短信 #16』)。その際、基礎資料としてこの数字が重要であると述べた。

他の統計と組み合わせて、その意味を少し説明しておこう。現在、Firefox 3.5 Beta 4の常用ユーザー数は65万人以上とされている(『今週のMeeting要旨 090514版』)。これが、正式版のリリース後にはどうなるか。

ここで、Firefox 3がリリースされた当時のNetApplicationsの統計を振り返ってみる。2008年6月時点で、Firefox全体のシェアは19.03%だった。これに対し、Firefox 3単体だと2.31%。リリースから約2週間で、Firefoxユーザー全体の約12.1%がFirefox 3を使っていた計算になる。同じペースで採用が進むとすると、Firefox 3.5のユーザー数はこの期間に1000万人を超える。

2008年7月のシェアも見てみよう。Firefox全体のシェアは19.22%で、Firefox 3単体だと5.67%となる。リリースから一ヶ月半後にはFirefox 3ユーザーの占める割合が約29.5%に上昇していた。上と同様の仮定で、Firefox 3.5のユーザー数は3000万人に達する。

基準となるユーザー数が概数なので、厳密な計算にはさほど意味がないものの、Beta 4のユーザー数とはまさに桁違いであることがわかる。Webへのインパクトを考える上で見逃せない数値だ。そして、こうした数値を弾き出すためにも、常用ユーザー数を把握しておくことは大事なのだ。

もちろん、Firefox 3と採用ペースが同じなのかという疑問はあるだろう。しかし、計画では、Firefox 3.5のリリース日に更新をチェックしたFirefox 3最新版のユーザーには、アップデートの通知が届くようになっている。また、セキュリティアップデートの間隔が短くなっているので、一ヶ月半の間にアップデートがあると予想され、この時点でそれまで様子を見ていたユーザーがFirefox 3.5.1の採用に動くと考えられる。さらに、Firefox 3のときと違って、アドオンの互換性の問題もそれほど大きくない。ギネス記録のようなお祭り騒ぎがなくても、乗り換えが進む下地は整っているのだ。

こうした事情からすると、リリースから一ヶ月半で3000万ユーザーという推測にも現実味はあると思う。また、リリースから約2週間で1000万人を超える点も実は重要で、この膨大な利用者がFirefox 3.5を使用したときに致命的な問題が出ないかどうかが、新ブラウザの評価に大きな影響を与えることだろう。