Mozilla Flux

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Firefox 3.0.10のクラッシュ問題

Firefox 3.0.8はクラッシュしやすい?』を書いたときは、注目を集めるとは思いもしなかった。ふだんは3.5の開発版をメインで使っているため、そこまで深刻な問題になっているという認識がなかったのだ。だが、「Mozilla Re-Mix」が上の記事を引用して『クラッシュ多発のFirefox3.0.8で「サイドバーを閉じます」ボタンが消えてしまった場合の復旧方法。』という記事を出したのを見て、これは広く影響が出ている問題なのだと気づいた。

Firefox 3.0.9で発生したクラッシュバグを潰すため、急遽3.0.10がリリースされたわけだが、どうやら一部のユーザー環境では引き続きクラッシュが頻発しているようだ。「とおやまの日記's Blog」で『Firefox 3.0.10 は不安定らしい』として取り上げられているほか、support.mozilla.com(SUMO)のフォーラムでも『Firefox 3.0.10 crash problem NOT solved. Why close the thread?』や『Firefox 3.10 crashes constatly』といったスレッドがすぐに見つかる。本家mozillaZine Forumでも『Firefox crashes』というスレッドがあって、今年3月20日に立てられたものなのにビュー数が2000を超えている。ふつうは多くても数百ビュー程度であることから、関心の高さが窺える。

とはいえ、原因が究明されていないので対策のほうもさっぱりだ。SUMOのスレッドには、問題が解決したという報告もわずかながら出ているものの、誰にでも当てはまるものではないらしい。たとえば、古いJavaプラグインをすべて削除して最新のものにしたら直ったとか、プラグインフォルダのNPMySrch.dllを削除したら直ったとかいうものだ。あえて指摘すれば、両方ともプラグインがらみである。

プラグインが原因になっているケースでは、セーフモード、新規プロファイル、クリーンインストールといったトラブル解決の常道は通用しない。それらの方法を用いても、利用可能なプラグインは読み込まれるからだ。Firefox 3.0.10のクラッシュに悩まされている方は、まずアドオンマネージャからすべてのプラグインを無効化し、それでもクラッシュするかどうかチェックしてみてはどうだろう。もし問題が収まったようなら、一つずつプラグインを有効化していけば原因を突き止めることができるはずだ。

ちなみに、Bug 467167のコメント39にはもっと強力で危険な方法も示されている。LSP-Fixというフリーのソフトウェアを使い、Layered Service Provider(LSP)をことごとくオフにしてしまうというものだ。LSPは典型的にはローレベルのインターネット関連タスクを処理し、インターネット通信中はデータがこのLSP群を通過するのだという。Bugzillaのコメントによると、LSPを提供するのは、セキュリティソフトであったり、まったく逆にマルウェアであったりする。そのすべてを一律にオフにすれば、副作用も大きい。もちろん、それでクラッシュの問題が解消するという保証もない。

それにしても、プラグインの問題にせよLSPの問題にせよ、Firefox 3.5の開発版であまり騒がれていないのはどうしたわけなのだろう。クラッシュの原因がFirefoxの外部にあるなら、Firefox 3.5でも同じようにクラッシュが頻発しそうなものだ。それとも、未対応のソフトが多いことに救われているだけか。