Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

今週のMeeting要旨 090514版

今週開かれた開発者ミーティングから、注目の情報を選んで掲載。日付はすべて米国太平洋夏時間(PDT)を基準にしているので、日本時間とはずれる。

Firefox Product Delivery Meeting(2009-05-13実施)

Firefox 3.5 RC1は、ビルドの作成に2日、QAに7営業日を要することが判明した。やはり6月2日リリースの線が濃厚だ。もちろん、予定どおり来週コードフリーズできたらの話。

RC1を控えているが、Code Sprintsの一環である「Always have option to Add Search」(Bug 482229)は、投入のタイミングを探っている。

Firefox 3.5 Beta 4の常用ユーザー数は65万人を超えたが、3.1 Beta 3のユーザーもまだ15万人以上いるという。乗り換えが進んでいない理由はMozillaにも分からないそうだ。

Firefox 3.0.12のリリースは7月中旬を予定していると発表された。

Firefox 3.0.x系列では、3.0.10のリリースによってクラッシュの報告が、サンプル調査で先週の35/300から23/300に減ったらしい。
(同日追記)より正確な表現に修正

Fastest Firefoxキャンペーンは、3.5が出る3週間前に開始するとのこと。逆に言えば、キャンペーンの開始から正式版のリリース時期を推測できそうだ。

Development Meeting(2009-05-12実施)

コードフリーズに向けて、Blockerリストの見直しが続く。Trunkで修正したが、Branchでは未修正のバグが増えてきたらしく、近いうちに大きなチェックインの波が来そうだ。

フロントエンド開発チームは、Blockerバグの処理に当たっているほか、Vista版インストーラの権限昇格問題やUI応答性の向上などに取り組んでいる。

Geckoのグラフィックスチームの報告で気になったのは、Gecko 1.9.2(Firefox.nextのエンジン)で「decode-on-draw」という機能を投入するとしている点だ。描画とデコードを同時並行で進め、パフォーマンスを引き上げるということだろうか。

また、Gecko 1.9.2関連では、ネットワークライブラリ (Necko) をChromiumのネットワークスタックに置き換える話があった(『Firefox.nextでコンテンツとクロームのプロセスを分離』)のだが、これは行わないことになった。パイプライン機能などで互換性に懸念が生じたからだ。しかし、ChromiumのIPC(プロセス間通信)コードは採用を予定しているように読める。

なお、先週紹介した”Bug 488966 - Add a last_visit_date column with an index to moz_places”はFirefox 3.5 RC1に投入される可能性が高い。

Thunderbird Status Meeting(2009-05-12実施)

Thunderbird 3 Beta 3のBlockerが55個(先週-5個)、うちb3uxのサブフラグがついたバグが22個(先週-5個)だ。開発の歩みは遅く、Beta 4を出すのもやむを得ない。

Autoconfig機能は、アカウント設定に使うデータベースがもうすぐ検証の時期を迎える。日本のISPに関しては、Mozilla Japanと連絡を取るとしている。

一つ気になるのは、「We should mute status meeting by default」というフレーズ。開発者会議の要旨を非公開にするつもりなのだろうか。だとしたら影響は大きい。あるいは、あまり詳しい情報は載せないようにするという意味なのか。

Mobile Meeting(11-May-2009実施)

N810版Fennec Beta 2のBlockerは20個(先週-3)。あまり減っていない。ただ、Geolocationのサポートが着々と進んでいる。

Windows Mobile版FennecのAlpha 1はいまだにリリースされない。アドオンがインストールできないバグで引っかかっているそうだ。