Mozilla Flux

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Firefox Add-onsからAdd-ons for Firefoxへ

Mozilla Add-ons(AMO)は最近矢継ぎ早に新機能を投入している。v5.0.4では実験的なアドオンをログインなしでインストールできるようになった。v5.0.5ではカテゴリページがリニューアルされた。そして、5月28日のリリースを予定しているv5.0.6では、フロントページが全面的に刷新され、「Bandwagon」という新機能が加わる。それに伴い、Firefox Add-onsの名称も「Add-ons for Firefox」へと変更され、「アドオン」を前面に押し出すことをタイトルのうえでも確認する。

All-Hands Meeting 2009で発表された『Addons in 2009』というスライドで、v5.0.6の狙いが説明されている。新しいフロントページでは、これまでのように「おすすめのアドオン」ではなく、アドオン自体の説明が目立つ場所に配置される。アドオンがどんなものかよく知らない人でも、興味をもってもらえるようにするためだ。

「おすすめのアドオン」は、「人気のアドオン」など他の三つとともに一つのエリアにまとめられ、ユーザーが選択して表示させるタブの一つとなる。おそらく「おすすめ」タブがデフォルトで表示されるだろうが、現在のように画面中央を広く占めることはなく、タブ内で紹介されるアドオンの数も5つに増える(現在は中央に3つ)。つまり各アドオンの露出が減り、おすすめに選ばれるうまみも少なくなるわけだ。

この措置は、当然意図的なものである。AMOの調べでは、トップ5%のアドオンがダウンロード数の80%を占めており、その5%に含まれるアドオンの99%は「おすすめのアドオン」に選ばれたことがある。これは新旧の「おすすめのアドオン」に利用が著しく偏っていることを示す。おすすめ以外のアドオンにも目を向けてほしいとAMOのスタッフたちは考えた。第一弾としてカテゴリページがリニューアルされ、ページ内に表示されるアドオンの数が増えたが、第二弾はフロントページに大幅に手を入れるというラディカルなものになる。

Bandwagonもユーザーがより多くのアドオンに触れるきっかけとなることを期待されている。これは、Amazonのリストマニア機能と同様に、登録ユーザー(AMOのアカウント保持者)が特定のテーマに沿ったアドオンのリストを作って公開するものだ。

リストには公開者がコメントをつけるので、一般ユーザーはそれを見ながら、自分の好みにあったアドオンを選んでインストールすることが可能になる。登録ユーザーならばRSSフィードのようにリストの「購読」もでき、更新の際に通知を受けられるようだ。

大きな変化になるため、リリース日が延期されることも考えられるが、それでも第2四半期中にはリリースされるだろう。

それにしても、Bandwagonのような機能が追加されると、Mozilla Japanの「Firefox用アドオン」ページは立ち位置が微妙になる。これまでと違い、AMOはユーザーにアドオンをアピールしてもらう方向に踏み出した。ところが、日本語版FirefoxのアドオンマネージャはAMOではなく「Firefox用アドオン」にユーザーを誘導するから、リストを公開するユーザーの母集団は必然的に少なくなる。日本でBandwagonが盛り上がらないのは国民性の問題ではなく、Mozilla Japanの措置のせいなどという事態は避けたいところ。現行ページとAMOのBandwagonをリンクするうまい方法はあるのだろうか。