Firefox 3.5 Beta 4がリリースされた。Mozilla.comのBeta版ダウンロードページから、日本語版を含め各国語版のダウンロードが可能だ。Firefox 3と同様に、ボタンをクリックするだけで日本語版のインストーラが選択される（日本語版Firefox使用時）。なお、Beta 3のユーザーに対するアップデートの通知も始まった。
Firefox 3.5 Beta 4はβ版のため、Mozilla JapanのWebサイトに日本語訳されたリリースノートがない。そこで、本家リリースノートより、新機能および変更点（What’s New in Firefox 3.5 Beta 4）と既知の問題（Known Issues）を訳出しておく。
新機能および変更点
- このBeta版は70カ国語で利用可能です - ローカルバージョンを入手
- プライベートデータをコントロールするためのツールを改良。プライベート・ブラウジング・モードを含む
- 新しいTraceMonkey JavaScriptエンジンのパフォーマンスと安定性が向上
- Web標準のGeolocationを使用し、位置に応じたブラウジングが可能に
- ネイティブJSONとWebワーカースレッドのサポート
- Geckoレイアウトエンジンに対する改良。投機的解釈によるコンテンツ・レンダリングの高速化を含む
- 新しいWebテクノロジーのサポート。HTML5の<video>および<audio>要素や、ダウンローダブルフォントとその他の新しいCSSプロパティ、JavaScriptのクエリーセレクタ、HTML5のアプリケーション向けオフライン・データ・ストレージ、SVG transformなど
既知の問題
このリストはFirefox 3.5 Beta 4に関する既知の問題のいくつかをカバーするものです。新しいバグを報告する前に、これをお読みください。
全システム
- Googleメールで、新しいフィルターを作るとき、詳細な検索オプションを表示させたとき、または迷惑メールフォルダを空にするときに、ときどき反応しないことがあります。Googleメールをリロードすると解消します。（Bug 477101およびBug 478778参照）
- 古いコンピューターあるいは遅いインターネット回線のユーザーは、Ogg形式のビデオ／オーディオを再生する際、途切れ途切れになることがあるかもしれません。（Bug 462667参照）
- このβ版を使用しているユーザーが以前のFirefox 3.1α版またはβ版にダウングレードすると、保存していたパスワードが使えなくなります。（Bug 467463参照）
- Firefoxを終了するたびにブラウジングの履歴をクリアする設定にしていた場合、アドオンあるいはテーマをインストールした後の再起動の際にも履歴がクリアされます。これは意図していない挙動であり、修正される予定です。（Bug 487219参照）
- Firefoxを終了するたびに最近の履歴を消去する場合のデフォルト設定は、クッキーの削除も含むようになりました。（Bug 488706参照）
- 左から右へと読む言語を使用するロケールのコンテクストメニューから、「テキストの方向を切り替える」というメニュー項目が削除されました。（Bug 418513参照）
Microsoft Windows
- AVG SafeSearch v8.0あるいはそれ以前のバージョンを利用している場合、ロケーションバーでEnterキーを入力しても反応しません。AVG SafeSearchをアップグレードすることでこの問題が修正されます。（Bug 479095参照）
MSナチュラルインプット 2002 v8.1を使用している場合、あるテキストフィールドにフォーカスがあるとIMEが自動的にアクティブになります。これはMicrosoft側の既知の問題です。（Bug 478882参照）
訳者注
ダウングレード時のパスワードの問題だが、この記述がBeta 3当時もあったことから、Beta 4からBeta 3へのダウングレードには当てはまらないものと思われる。
ナチュラルインプットの件は、Firefox 3.5では問題にならないとされており、Beta 3のリリースノートから記述が訂正されていないようだ。
（同日追記）
Mozilla Japanの中野さんが開発総責任者に訂正を求めた結果、ナチュラルインプットの件はリリースノートから削除された。（コメント欄参照）
利用上の注意点
Beta 3と同じプロファイルを使うのであれば、既知の問題”Bug 488706 - clear privacy data and clear cookies set”に気をつけてほしい。最初に設定画面を開き、Firefoxの終了時に自動でクッキーを消す設定になっていないか確認することをおすすめする。
また、Firefox 3.5 Beta 4はリリーススケジュールを優先したため、リリース前のテストが一部省略されている。著名なアドオンをインストールした状態での動作チェックが行われていないことや、Beta 4で互換性に影響しうる修正が加えられていることから、バージョンチェックを無効にして動作させると不具合が出るアドオンが存在するかもしれない。
