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Firefox.nextはMac OS X 10.4もサポートから外す方針

Mozilla CorporationのJosh Aas氏(Gecko開発チーム所属)がmozilla.dev.planningに『Mac OS X 10.4 Support in Gecko 1.9.2 (Round 2)』というスレッドを立てた。同氏は、その中でMac OS X 10.4(以下10.4)をGecko 1.9.2のサポート対象から外すべきと主張している。

Gecko 1.9.2はFirefox.next(Firefox 3.5の次のバージョン)の基盤となるレンダリングエンジンである。したがって、この主張はFirefox.nextのサポートに関して述べているに等しい。既報のとおりFirefox.nextはWindowsについてXP SP2以降をサポートすることにし、XP SP1/無印およびWindows 2000のサポートを外す方向で議論が進められているが、Mac OSでも10.4を外す流れになってきた。実現すればFirefox 3が10.3のサポートを外して以来の変更となる。

Aas氏の主張の骨子は、次のようなものだ。

  • Mac OS Xはメジャーアップデート後、数ヶ月で二つ前のバージョンに対するセキュリティアップデートが提供されなくなるのがこれまでの例。10.6のリリースが2〜3か月以内に行われる見通しなので、10.4についても同様と考えられる。
  • Firefox 3.5によって2011年第1四半期ころまでは10.4ユーザーをサポートできる。
  • 現在10.4ユーザーはMac OS Xユーザーの約36%を占める(Mozilla調べ)が、サポート終了時までにはこの割合は大幅に低下しているはずである。
  • 10.5以降のサポートにすることで、APIの利用上メリットがある。Core Text、メニュー操作、キーボード/IME、印刷関連のほか、グラフィック関連もいくつか。
  • 10.5以降のサポートにすることで、GCC 4.2が利用でき、コード最適化によるスピードアップの恩恵を受けられる。
  • 10.5以降に対応したコードにしておけば、将来64bit版に移植する際の作業がはるかに容易になる。10.5がフル64bitのアプリケーションスタックを含んでいるため。

この主張に対し、Firefox開発チームのNo.2であるMike Connor氏は既に賛成の立場を明らかにしている。反対しているのはSeaMonkeyの主要開発者の一人Robert Kaiser氏。Gecko 1.9.2はFirefox以外のアプリケーションにとっても基盤となるため、Kaiser氏としては早急に結論を下すのは好ましくないと考えているようだ。

議論は現在も進行中である。