Mozilla Flux

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Taskfoxのデモに見る新しいポイント

Weekly Updates 2009-04-06』でちらっと紹介したTaskfoxのデモだが、Mozilla Labsの『Taskfox Prototype: Ubiquity in Firefox』ではビデオ付きで解説されており、この件はライフハッカー[日本版]でも『Firefoxコマンドライン機能のデモが公開中』として記事に取り上げられた。

コマンドベース

Aza Raskin氏がHTMLとJavaScript(jQuery使用)で作成したTaskfoxのデモは、上の解説ビデオを見ながら実際に触れてみるのが一番わかりやすい。使用できるコマンドは限られており、ユーザーインターフェイス(UI)も最小限に絞ったものだが、『コードネーム:Taskfox』で触れたモックアップには見られない、新しい要素が含まれているので要注目だ。

新要素の一つ目は、プレビュー画面の強化である。検索結果が表示された場面で、いくつかの項目に「>」のマークが付く。マークを直接クリックするか、項目を合わせて[→]キーを押すと、リンク先のプレビューが出る。たとえば、Googleで「Firefox」を検索した場合でも、WikipediaのFirefoxの項目へとジャンプできるわけだ。

二つ目は、修飾語をプレビュー画面に移動させたこと。以前は、"to"とか"from"といった助詞をロケーションバーの右端に用意し、ユーザーがスライドさせて補語を調達してはどうかとの話もあった(『UbiquityとFirefoxの融合に向けて』)。だが、これでは入力も処理も複雑になる。新しいアイデアは、より直感的だ。サービスを選択したら、ユーザーが入力するパラメーターは一つだけとし、あとは必要に応じてボタンで切り替えていく。翻訳サービスであれば、原語がパラメーターとなり、翻訳先の言語はボタンで選択することになる。

三つ目は、プレビューウィンドウの分離だ。調べ物をした後で、その結果を脇に置いておけるこの機能は、Taskfoxの用途を確実に広げるだろう。デモは対応していないが、分離したウィンドウはもちろん再度ドッキングさせることができる。おそらく、ウィンドウを分離しつつ、別のプレビューウィンドウを呼び出すことも可能だ。

マウスベース

実は、Raskin氏はマウスベースのTaskfoxについても、デモを作成済みだ。『UbiquityはFirefoxの一部となれるか』でマウスベースのUbiquityの話に触れたが、続報がなかったのでお蔵入りになったと思っていた人も多いだろう。筆者もその一人だ。

しかし、Ubiquityと違って、Taskfoxは操作をシンプルな形にまとめた。これをマウスベースのUIへとフィードバックすることは自然な流れだといえよう。タブこそ使わないが、内容的にはIE8の「アクセラレータ」と非常によく似ている。

ユーザーがWebページ中で語句を選択すると、"badge"(バッジ)と呼ばれるアイコンがカーソル付近に表示される。これをクリックすると、サービスの一覧が表示されるので一つを選ぶ。結果は、コマンドベースのときと同じようにプレビュー画面に表示される。


このマウスベースのUIは、おそらくコマンドベースのUIと併存することになるだろう。お互い邪魔にならないので、片方に限定する理由はない。

今回扱った新要素は、どれも使っていて納得のいくもので、前途有望な機能だとの印象を受けた。