Mozilla Flux

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Firefox.nextで「軽い」アドオンが加わりそう

あくまで第一報のレベルだが、Firefox.next(Firefox 3.5の次のバージョン)では、「軽い」アドオンなるものが導入される見とおしだ。Firefox 3.5の、そしてFirefox.nextの開発総責任者Mike Beltzner氏がmozilla.dev.planningに立てたスレッドで、その一端を垣間見ることができる。

そこでは、「軽量テーマ」の導入が検討されている。といっても、Personasのスキンのことではない。あれはあくまでFirefoxの表層に彩りを添えるもの。テーマとは違う。Firefoxのアドオンとしてのテーマは、ユーザーインターフェイス全般に影響を与える。

とはいえ、スキンの変更が含まれていないわけではないだろう。今のところわずかな情報しかないが、開発者の中でNo.2の立場にあるMike Connor氏の発言を見るかぎり、軽量テーマの中にアイコンセットの変更が含まれていることは確かなようだ。これに加えて、Personasのスキンがさまざまなダイアログに適用される形になれば、テーマの体裁はいちおう整う。

開発者が新しいアイコンとスキン用の画像を揃えれば、比較的簡単にFirefoxのテーマを作成できる仕組み。もしできれば、これまでテーマ作成に参加していなかった人も、参加するようになることが期待できる。ユーザーにとってもテーマのバリエーションが増えるメリットがある。

(09/04/06追記)
後述の検討リストを見直してみると、「allows anything to be customised but doesn't mean recreating an entire theme」という注が付いていた。また、「icon sets for add-ons to use」という項目もあった。

既存のテーマをカスタマイズすることで、別のテーマを作成できるようにするのだろうか。しかも、Firefox側でアイコンセットの候補を用意して。<追記終>

ここまでは、テーマの話だった。拡張機能のほうはどうだろう。実は、Firefox.nextの検討リストに「extensions 2.0 using greasemonkey & html」という項目が挙がっている。タイトルだけで説明がないため、これまでは意味をつかみかねていたのだが、軽量テーマの件を知った今ならわかる。これは、「軽い」拡張機能の導入を検討するものなのだ。

Greasemonkeyは、Firefoxの有名な拡張機能で、JavaScriptベースのユーザースクリプトを処理するエンジンである。ユーザーは、このGreasemonkey用のスクリプトを別途組み込むことで、Firefoxの機能を拡張することができる。

世界中で多数のユーザースクリプトが発表されており、欲しい機能が拡張機能の中に見つからないときでも、ユーザースクリプトの中にならあるというくらい、種類は豊富だ。ユーザーのニーズにきめ細かく対応している点も特徴である。

当然、拡張機能は作っていないが、ユーザースクリプトなら書いているという人も出てくる。こうした層を開発者として取り込めれば、拡張機能はより豊かなラインナップを手にできるだろう。上のタイトルからすると、「拡張機能 2.0」は、「GreasemonkeyとHTML」を使うと読めるが、GreasemonkeyそのものをFirefox本体に取り込むというよりは、同じようなユーザースクリプトの処理エンジンを実装する趣旨ではないかと思う。ただし、あくまでも拡張機能なので、生のスクリプトではなくHTML(の拡張版? XML?)でコーティングするわけだ。

現在でも、ユーザースクリプトの代表格であるAutoPagerizeをアドオン化した「AutoPager」のようなケースはある。しかし、こうした例は一部で、ユーザースクリプトを手軽にアドオンに移植できるわけではない。Firefox.nextでは、こうした苦労も大幅に減らせるのではないだろうか。