MozillaのエバンジェリストAsa Dotzler氏が、Net Applicationsのデータを利用して、ここ6ヵ月間におけるWebブラウザシェアの増減をチャート化した。対象はシェアが高いブラウザ4つ、つまりInternet Explorer、Firefox、Safari、Google Chromeである。
2008年9月のシェアを0として、そこから2009年3月のシェアまでをチェックし、何%増減したかがチャートに表されている。筆者のほうで始期と終期のデータを調べて表にまとめたので、こちらも参照していただきたい。
2008年9月(%) | 2009年3月(%) | 増減(%) | |
---|---|---|---|
IE | 71.52 | 66.82 | -4.70 |
Firefox | 19.46 | 22.05 | +2.59 |
Safari | 6.65 | 8.23 | +1.58 |
Chrome | 0.78 | 1.23 | +0.45 |
Dotzler氏も指摘しているとおり、Google ChromeはFirefoxのシェアを短期間で奪うのではないかと言われていたが、現実はまったく違う展開を示している。たしかに、Google Chromeが拡張機能に対応した後、キラーアプリ的な拡張機能が現れ、さらに本体が多数のPCにバンドルされるようになれば状況が変わるかもしれない。だが、それらについて確たる見通しがあるわけではない。
これに対し、IE8はしばらく経てばWindows Update(Microsoft Update)で配信され、Vista搭載のPCにバンドルされ、年内にリリースされるWindows 7に標準で搭載されることが確実だ。その影響を今の時点で判断するのは早すぎる。
Firefoxはシェアを順調に伸ばしており、Firefox 3.5のリリースが遅れるのは痛いが、年の半ばに出ることは確実だし、前述の期間中SafariやGoogle Chromeを超える伸び率を常に示していることからみて、これらと競合関係にあるとしても、実は多くの人が思っているほど競争は激しくないのだろう。とすれば、当面IE8以外は脅威になりそうにない。
結局、シェアに関してはあいかわらずIEとFirefoxの一騎打ちが続く。「ポスト第二次ブラウザ戦争」などと騒がれている割には、案外退屈な図式なのだ。