Mozilla Flux

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Ubiquityをユビキタスに

Ubiquityをさまざまな言語で扱えるようにするには、どうしたらいいか。mitchoことアーリーワイン・マイケル芳貴氏の研究テーマだ。同氏はMozilla Labsに所属する東京在住のプログラマ兼言語学者で、理論はすぐさま具体的なコードへと反映される。その研究の概略を表した日本語のスライドが、Webで公開されている。

Mozilla Ubiquity の国際化と次世代パーサ

Ubiquityを国際化することは、Ubiquityを遍在させる(ユビキタスにする)ための第一歩といえるだろう。そして、国際化のためには、Ubiquityをそれに対応したものに作り替えねばならない。入力された言葉の分析を担当する部分は「パーサ」と呼ばれるが、多言語を的確かつ柔軟に扱えるパーサをUbiquityに組み込む必要がある。

mitcho氏が開発した次世代パーサのデモに触れてみてほしい。認識する命令はまだまだ少ないが、入力された文章を基に、あるべき正しい形式を推測できる点は、将来性を感じさせる。ユーザーがあいまいな入力をしてもUbiquity側で対応してくれることを意味するからだ。とくに、Firefox.nextに統合されたUbiquity(コードネームTaskfox)で力を発揮してくれそうだ。

この次世代パーサについては、mitcho氏が英語で解説したビデオもある。最初にそちらを画面だけでも眺めておくと、デモの意味するところがわかりやすくなると思う。

ビデオで紹介されている中で重要なのは、パーサの拡張性である。区切り文字(delimiter)などについて簡単なコードを書くことで、多数の言語のサポートを可能にしており、コミュニティの力を得てパーサを強化する仕組みといえる。実際、TaskfoxはFirefoxが対応する70以上の言語を処理する必要に迫られる。世界中の開発コミュニティが協力しなければ達成できないことは明らかで、次世代パーサはその負担にも配慮していることが窺える。