Mozilla Flux

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Thunderbird 3の開発動向 2009-03-24

今週のThunderbird Status Meeting(2009-03-24版)その他より。日付は米国太平洋夏時間(PDT)が基準である。

Thunderbird 3 Beta 3のスケジュールは、微調整があったものの、大枠は『Thunderbird 3 Beta 3のリリースは5月5日を予定』で紹介したとおりの内容に決まった。

現在、Beta 3のBlockerバグは83個。うちb3uxのサブフラグがついたバグは31個である。なお、このサブフラグがついたバグの一覧表が公開された(2009年3月23日時点。更新の可能性あり)。

気になるのは、mozilla.dev.apps.thunderbirdにおけるDan Mosedale氏の発言で、Blockerリストが大きいため、近々「切るか先送りにするか」の決定をしなければならないという。とはいえ、スケジュールが厳密に決まっているb3uxのものは対象外だろう。

b3uxのサブフラグは、ユーザー体験に影響するバグに付けられている。ミーティングの要旨でいくつか紹介されていたのだが、二つほどピックアップしておく。

一つは、"Bug 480623 - move compact message header view to an extension"だ。メッセージのヘッダを表示する領域で、Beta 2であれば「詳細を隠す」かどうか選べるわけだが、この機能を拡張機能に分離するのだという。つまり、ヘッダの全表示が初期設定かつ唯一の設定となる。

詳細を隠した「コンパクト・ヘッダ」に関して、フィードバックが思っていたのと違っていたそうなので、あまり芳しいものではなかったのだろう。修正が必要だが、そこまで手が回らない。それならいっそのこと、コードを拡張機能へと分離し、有志に改良してもらうのがいいのではないか。Mosedale氏のコメントから窺える事情は以上のようになる。

もう一つは、"Bug 457296 - separate address list for addresses allowed to load remote images for email"だ。現行のThunderbirdでは、アドレス帳に登録されている送信者からのメールは、画像を読み込む仕様になっている。これを、ホワイトリストを別に用意し、ユーザーが許可対象を自由に選べるようにしようというものだ。

いずれも使い勝手にかなり影響しそうなので、動向に注目しておきたい。なお、『Glodaの国際化対応は緒に就いたばかり』で紹介したBug 472764は、[b3ux][m5]のサブフラグが付いている。4月21日がターゲットになるのだが、[needs patch]のフラグもある。Mozilla Japanのdynamisさんが提出したパッチをそのまま使うのかと思っていたが、必ずしもそうではないらしい。

Glodaといえば、Beta 2ではデフォルトでオフになっているけれども、m2マイルストーン(3月31日)後に、ナイトリービルドでオンにする計画がある。果たして反応は。

最後に、ユーザー数などを。Thunderbird 3のBeta版ユーザーは、3万5000人。2.0.0.21のリリースから5日間で、アップグレード率は80%を超えた。