Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

all.htmlページで新デザインがテスト中

日本にはMozilla JapanのWebサイトがあるので意識されにくいが、Firefoxのダウンロードページを自前で用意している国はそれほど多くない。Mozilla Foundationの公式アフィリエイトは、Mozilla JapanのほかにMozilla EuropeMozilla Chinaだけなので、それらがカバーしていない国や地域では、ダウンロードにMozilla.comを使うことになる。たとえば、有志がサイトを作っているMozilla Mexicoがその例だ。

Firefox 3は55以上の言語に翻訳されているので、公式アフィリエイトがカバーしている分を差し引いても、多くの国や地域の人が、FirefoxをダウンロードするためだけにMozilla.comへアクセスすることになる。それでも、現在使用しているWebブラウザと同じ言語・OSのインストーラがほしいなら、ボタンをクリックすればいいので簡単だ。

しかし、他の言語・OS版をダウンロードするときは、そうはいかない。all.htmlというページで、該当するものを探す必要がある。実は、Mozilla EuropeやMozilla Chinaがカバーしているはずのユーザーも同じ事情を抱えている。要するに、各国語版と各OS対応版のダウンロードページまでローカライズされているのはMozilla Japanだけで、他はどこもMozilla.comのall.htmlページへ飛ぶ作りなのだ。

となると、all.htmlページが果たす役割は重大である。非英語圏のユーザーでも迷わず目当てのリンクを探し出せるようにしなければいけないのだから。だが、現在のページはその要請に応えきれていない。日本語版のページは英語版のデザインを維持したまま翻訳しているので、それをみれば様子が掴めるだろう。ずらっと並んだリストから特定の言語・OS版を見つけるまでには、どうしても多少の時間がかかる。当然その時点で嫌になってやめる人も出てくる。調査によれば、44%ものユーザーが、どのリンクもクリックしないままページを去っているそうだ。

Mozillaはこの状況を改善したいと考えてきた。昨年11月には直すべき点が指摘されていたし、新しいページのモックアップも複数できあがっていた。それがついに実装直前の段階まで来て、現在一週間のテストを実施中だ。

モックアップは二種類だったのだが、テストページは三種類になり、現行のページと合わせた四種類が、テストの対象となっている。15分ごとに切り替わり、ユーザーの反応をそれぞれ計測する。ダウンロードに最も貢献した候補が勝者となり、最終調整を経て今月末には正式に採用される見通しだ。ただ、現行ページが一番なら現状維持になるはずだが、その点についてはこの件を解説したブログ記事で触れられていない。新デザインに自信ありということだろう。

新デザインの一つ目は、大陸別に情報を整理したスタイルだ。まず大陸を選択すると、折りたたまれていたリストが現れる(トグル方式)ので、そこから目当てのものを探す。リスト自体は現行のものを踏襲している。ページの右側には検索窓なども付く。トグル方式のリストは既にリリースノートで採用されているため、ユーザーはそれほど違和感を感じずに済むだろう。

二つ目は、現行のデザインに、一つ目の案で右側のペインに置かれていた検索窓などを足したスタイルだ。無難な線を狙ったものといえる。

三つ目は、思い切って地図を前面に押し出したスタイルだ。地図から大陸を選ぶと、詳細を決めるページに飛ぶ。そこでOSの種類を指定し、最後に言語を選ぶ。英語が苦手でも直感的に操作できる点がポイントだ。また、手順は多くなるが、リストは横三列に並ぶので、一覧性は高い。モックアップの時点ではこのデザインがオプション1になっていたので、Mozillaとしては一番成功を望んでいる案なのかもしれない。

前述のとおり、日本語版は英語版とデザインが共通なので、Mozilla.comが採用した新デザインがMozilla Japanでも適用されるとみてよいだろう。メインのダウンロードページ(製品の紹介ページ)も、アクセスしたWebブラウザによってページを変化させるプランがあるし、面白い動きになってきた。あとは、Firefox 3.5のリリースに合わせたチューニングがあるのかどうかも気になるところだ。