Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Weekly Updates 2009-03-09

Mozillaのプロジェクト全体について開発状況を報告し合う会議が毎週開かれている。その報告のまとめがWeekly Updatesだ。2009-03-09版(米国太平洋夏時間:PDT)から注目の内容をピックアップ。

Firefox 3.5関係

Firefox 3.1 Beta 3のQAは予定どおり進行しており、3月12日2:00PMのリリースは守られそう。リリース後の3月17日には3.5への名称変更がほぼ一斉に実施される

Beta 3では、ローカライズ版のパッケージ作成時間が大幅に短縮された。これまで特に時間がかかっていたのはWindows版で、最長6時間に及んでいたが、それを1時間にまで減らすことができたという。最も遅いものが足を引っ張ることになるため、この短縮がリリースまでに必要な時間の短縮に直結する。いいニュースだ。

Firefox 3.5 Beta 4については、『速報:Firefox 3.5 Beta 4のスケジュール草案発表』でお伝えしたスケジュールがそのまま記載されている。明日のDevelopment Meetingで議論し、それを受けて明後日のProduct Delivery Meetingで確定される。

そのBeta 4に向けた作業が開始されたが、バックエンドのGecko 1.9.1では、例によってJavaScript関連のBlockerが多い(42個)。その他は、Final BlockerつまりRC1までに潰すべきバグが合計25個なので、Beta 4のコードフリーズまでに作業が終わりそうだ。Gecko 1.9.1 Blockerのトータルが86個であることから、JavaScriptエンジンに関しては、Beta 4向けの作業が終わってもなお、19個のBlockerが残る計算になる。TraceMonkeyが開発スケジュールに及ぼす影響は非常に大きいというほかない。

対するフロントエンドは、10個のFinal Blockerを残すのみで、うち複雑なものはたった一つ。総数は先週とほぼ変わらないが、難しいものを1個片付けたようだ。また、昨日紹介したCode Sprintsの進み具合も好調だという。

なお、筆者が独自に調べたところでは、Beta 4のBlocker総数は現在69個。これは、フロントエンド、バックエンドと、Beta 3の積み残しを含む。今後はこの数の増減を追っていきたい。3.5へのバージョン変更に伴ってBugzillaのパラメータを変えないといけないので、リストへのリンクはその後に公開する予定。

製品一般

Firefox 3.0.8は予定では4月14日にリリースされるわけだが、3.5 Beta 4と日が被ってしまう点をどうするか。あくまで「4月中旬のリリースが目標」と記載されていることからみて、3.0.8のリリース日は4月12日あるいは16日にずれる可能性が高いと思われる。

Thunderbird 2.0.0.21は、3月17日あるいは18日のリリースとされてきたが、"Release in a week"となっているので、16日への前倒しもありうるだろう。

N810版Firefox Mobile(Fennec Maemo)のBeta 1は、リリースが遅れているが、一両日中には出る見とおし。Mobile Meetingでは、起動画面の見直しや、UIを解説したスライドの話題が出ていた。

Labs

Personas 1.0b3がMozilla Add-ons(AMO)でリリースされた。さまざまなバグを修正したというが、AMOでの評判は今ひとつ。

Weaveは、既に2000〜4000のアクティブユーザーを擁するが、サーバーの処理能力に余裕があるので、来週中には1万ユーザーに向けたアカウントの解放を行う模様。

最近公開されたAbout:Tab。Mozilla Labsとして、正式にFirefox.nextへの統合を目指すことが決まった。ちなみに、これがFirefox 3.5に取り込まれるのではという見方もあるようだが、時期的に無理がある。あくまでその次のバージョンで統合されるかどうかが焦点だ。

その他

support.mozilla.com(SUMO)は、ロードマップをみてようやく状況が飲み込めた。3月中に1.1までバージョンアップされるが、0.9はパフォーマンスアップが目標で、UIの変更は1.1のターゲットだった。それでも、近いうちにデザインの変更がありそうである。

Spread Firefoxは新しいWebサイトのデザインが3月18日に公開される。こちらは、フォクすけの扱いがどうなるか楽しみだ。