Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Mozilla短信 #12

Mozillaに関する多種多様なトピックを、おのおの短い記事にまとめた上で一本に編集したもの。不定期に連載予定。

BespinがJSライブラリをDojoに変更
バージョン0.1からスタートしたBespinも現在では0.1.6になっている(リリースノート)。アーキテクチャ的に大きな変更があったのは0.1.4のリリース時で、この際、JavaScriptライブラリをprototype.jsからDojoツールキットへと変更した。
その理由は、開発者の説明によれば、高機能を維持したまま、コミュニティで共有するのに適したクリーンなコードを書けるからとのこと。移植は外部協力者のRoberto Saccon氏が行った。その後も構文のハイライト機能を改良するなど、プロジェクトにかなりの貢献をしている人物だ。
脆弱性の数だけを比べるのは意味がない
Mozillaのセキュリティ部長Lucas Adamski氏は、セキュリティ企業のSecuniaが発表した"2008 Report"に反論する文章をブログで発表した。レポートによれば、公表された脆弱性の数は、年間でIEが31、Safariが32、Operaが30であるのに対し、Firefoxは115となっているが、Adamski氏は、Firefoxが脆弱なソフトであるかのような間違った印象を与える内容だと指摘する。
実際には、Mozillaが内部開発者の発見したものも含めすべての脆弱性を公表しているのに対し、他の企業は外部研究者などが報告した脆弱性しか公表していないため、比較自体が不公平との主張だ。単純に脆弱性の数だけを比べるのでは、企業に隠したほうが得だと思わせる意味でも誤っているという。
Firefoxのユーザー数
Mozillaの調査によれば、2009年3月3日時点におけるFirefox 2のユーザー数は、約1190万人である。うち610万人(51%)が2.0.0.20のユーザーとなっている。また、既報のとおり、NetApplicationsの調査では、2月時点におけるFirefox 2のシェアは2.27%であるのに対し、Firefox全体では21.73%だった。二つのデータを組み合わせて単純に計算すると、Firefoxのユーザー数は約1億1400万人となる。
Thunderbird 3 Beta 1のアップデート
先頃Thunderbird 3 Beta 2がリリースされたものの、Beta 1のユーザーに対してはアップデートが提供されていない。現在作業中で、開発責任者の話では、今週中には出せるのではないかとのこと。
Firefoxのアップデートが消費する帯域幅
Firefox 3.0.7がリリースされた際、当然のことながらMozillaのサーバーにはアクセスが集中した。3.0.6のリリース時とは違って目立ったトラブルは起きなかったようだが、データをみると、その当たり前のことがどれほどすごいかわかる。カリフォルニアのサンノゼにあるサーバーは、ピーク時には3Gbps近い帯域幅を消費していた。
Songbird 1.1ではメモリ消費がかなり減る
Mozilla版iTunesというべきメディアプレーヤー、Songbird。Geckoエンジンを搭載し、オープンソースで開発が進められている。来るべきバージョン1.1では、メモリ消費が40%削減され、再生時のCPU使用率が半分になるという。なお、開発者の調べでは、Windows XPにおいてメモリ消費が少ないのはWindows Media Player 11となっていて、こちらも興味深い。
Mozillaのニュースグループが移転するかも
現在Mozillaのニュースグループ(mozilla.dev.planningやmozilla.dev.apps.firefoxなど)は、Google Groupにスレッドが投稿されている。しかし、近頃はスパムがときどき紛れ込んでしまいノイズが多い。しかし、Googleは法に違反していない投稿は削除しないポリシーらしく、いつまでも残ってしまう。そこで、他に移転すべきとの意見が出されており、Bugzillaでも議論が行われている(Bug 425122)。