Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

Weave 0.3のリリースが近づいてきた

Weaveは、Mozilla Labsが提供する実験的なアドオンで、複数のFirefox間で環境設定を同期させることができる。具体的には、次のデータを対象とするが、別のアドオンによって扱うデータを増やすことも可能だという。

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データは専用のサーバーに保存されるが、クライアントであるアドオンとのやりとりは暗号化されるため、安全性は保たれる。先頃バージョン0.3の開発版であるMilestone 4(M4:バージョン0.2.110)がリリースされたが、そこではクライアントのパフォーマンス強化などとともに、新しいサーバークラスターの構築が重要な更新情報として扱われていた。

現在のところ招待制で、利用者は事前にメールアドレスを登録しておき、招待メールが届いた時点で本登録を行う。サーバーの処理能力に限りがあるため、今はまだそうした仕組みになっているものの、将来的に制限は緩和されていくはずだ。なお、利用にはFirefox 3.1(3.5)のBeta版が必要である。

ロードマップをみると、次のM5のリリースが3月11日、正式版のリリースが3月25日となっている。ただ、M4に5日の遅れが出ていることから、正式版は4月にずれ込む可能性もある。とはいえ、バージョン0.3の完成が近づいていることは確かだ。

M5では、多重暗号鍵がサポートされるという(Bug 479856)。また、同期のリセット機能も加わる(Bug 480057)。これは、一つにはクライアント側のデータをいったん消去して、サーバー側のデータに合わせる機能だ。そして、逆にサーバーのデータを消去してクライアントに合わせることもできる。通常はサーバーに差分データを送信するのだが、保存データに何らかの異常が出た場合、完全な同期によって復旧を図る手段として、この機能が設けられる。

Fennec(Firefox Mobile)との連携に活路を見出しつつあるWeaveだが、誰でも利用できるようになれば、PCでも充分に需要はあると思われる。0.3正式版で最低限の機能は揃うものとみられ、次はサーバーの拡充・強化が課題になってきそうだ。