Mozilla Flux

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Beta 3のリリース日が変更:12日へ

今週のFirefox Product Delivery Meeting(2009-03-04実施)より。なお、日付は米国太平洋標準時(PST)を基準にしているので、日本時間とはずれる。

昨日の会議では3月10日2:00PMとされていたFirefox 3.1 Beta 3のリリースだが、3月12日2:00PMへと変更された。コードフリーズが遅れたことに加え、QAに割く時間が足りないと判断されたようだ。丸々二日ずれたわけだから、日本時間だと13日午前6時にあたる。

もう一つの重大なニュースは、バージョン番号が3.5に変更されると決まったことだ。Beta 3は3.1の名称のままリリースされるとしていることから、Beta 4からは3.5の名称が使われるとみられる。

これまでも、Firefox 1.1を1.5に変更した前例があるので、3.1の名称が変更されたことそのものには、さほど驚きはない。当初の計画よりも多くの機能を盛り込んだのだから、3.5を名乗っても不自然ではない。ただ、次のバージョンのことを考えると、Geckoをどう扱うのかが気になるところだ。

過去、Firefox 2はGecko 1.8.1ベースで、Firefox 1のGecko 1.7とは別の系列だった。Firefox 3はGecko 1.9ベースで、やはり系列が違っていた。Firefox 3.5の次は、当然Firefox 4になるだろう。前例に倣えば、そこにGecko 1.9.2を載せるとは考えにくい。では、Gecko 1.9.2をGecko 2.0に改称するのか。それはそれで、アーキテクチャに大きな変更がないのに2.0を名乗るのはどうかといった問題が出てくる。こうした疑念があるので、筆者はFirefox 3.1を3.3に変更し、3.2を3.5にするのではと思っていたのだが、予想は外れた。

もう一つ興味深い点を挙げれば、Firefox 3.5から4.0へという流れができることで、「マイナーリリース」という新カテゴリーはどうなるのかが問題だ。5〜8か月のスパンで中規模の変更を加えたリリースを繰り返す予定だったはずなのだが、そのプランがいきなり躓いたことで、旧3.2での対応が問われていた。次の4.0は、当然3.5と同程度に新機能が盛り込まれることを期待されるから、開発期間もそれに応じた分が必要になる。つまり、リリースは来年春以降になる。それはもはやマイナーリリースとは呼べないだろう。今回の決定は、マイナーリリースのプランを捨て、1年に1回のメジャーバージョンアップという当初のサイクルに復帰したことを意味しているように思えてならない。

ところで、「Firefox 3.5 Beta 4」はいつリリースされるのだろうか。これまでの情報ではコードフリーズから約6週間後ということだった。正式のスケジュールは現在も未定だ。ただ、Beta 3のリリース後2週間でストリングフリーズにすると本Meetingで提案されていることに注目したい。なぜなら、ストリングフリーズはコードフリーズの1週間前に設定されることが多いからだ。

提案されたストリングフリーズの時期は、Beta 3のコードフリーズから3週間後であり、仮定が正しいとすると、4週間後にはコードフリーズ、5週間後にはリリースに至る。もちろん、6週間のサイクルを厳守するため、あえて前倒しのスケジュールを提案しているのかもしれない。それでも、次は絶対にリリースを遅らせないという意図が感じられる。Beta 4は4月中旬に出る可能性がかなり高まったといえるだろう。

以上の他、いくつか情報をピックアップしておく。Firefox 3.1 Beta 3のプロモーションのため、mozilla.comのトップページにダウンロード用のボタンを置くプランがあるようだ。Firefox 3.1 Beta 2のユーザー数は38万人に増加。Firefox 3.0.7は本日のリリースで、既にFTPサイトにはローカライズ済みのインストーラがアップされていることから、アナウンスも間近だろう。