Thunderbird 3 Beta 2が、リニューアルされたWebサイトとともにリリースされた。サイトは英語版のみだが、リリースは各国語版が用意されており、日本語版のダウンロードも可能になっている。
リリースノートから新しくなった点をピックアップしておこう。
Thunderbird 3 Beta 2の更新点
Thunderbird 3 Beta 2はGecko 1.9.1をベースにしており、そこには大きな再設計が含まれているため、パフォーマンス、安定性、Web互換性が向上し、コードがシンプルで持続可能なものとなりました。
このリリースでは340以上の変更が加えられていますが、多くは将来の変更のための基礎作業です。目立った変更個所は以下のとおり。
ユーザー体験の改善
- メッセージアーカイブ(Message Archive)
- メッセージを受信トレイや他のフォルダから新しいアーカイブフォルダシステムにファイルすることができます。
- アクティビティマネージャ(Activity Manager)
- アクティビティマネージャは、ThunderbirdとEメールプロバイダとのやりとりを一個所に記録します。
パフォーマンスの改良
- IMAPメッセージのロードを高速化
- Thunderbirdは、デフォルトでIMAPメッセージをバックグラウンドでダウンロードするようになり、メッセージのロードが高速化し、オフラインでの操作がしやすくなりました。この機能は、個々のフォルダ単位(フォルダのプロパティを通じて)で、あるいは「アカウント設定」や「同期とディスクスペース」を通じてアカウントの全フォルダを対象にして適用することができます。
なお、変更点の全容は、Rumbling Edgeで公開されている。
リリースを受けて、Mozilla Messaging社のCEOであるDavid Ascher氏は、ブログ記事の中で、Beta 2の新機能についてもう少し詳しく説明している。
まず、メッセージアーカイブについてだが、これはGmailの機能をそのまま取り入れたもので、あるメッセージがどこのフォルダにあるのか探す手間を省くねらいがある。受信トレイや名前の付いたフォルダには重要なメッセージだけを残し、その他はアーカイブに回す。必要になったら全文検索ですぐに見つけ出せるという具合だ。ただ、残念ながらBeta 2の段階ではインデックスを用いた全文検索機能がオンになっていない。アーカイブが真価を発揮するのはBeta 3からになる。
次に、アクティビティマネージャは、Thunderbird 2が、処理内容をユーザーにうまく通知できていないという認識から考案されたものである。処理状況や結果を一元的に通知する仕組みを設けることで、ユーザーの行動をサポートする。
その他にもいくつかの機能が列挙されている。
- OS X版でGrowlによる通知がはるかに有用なものに
- タブ操作を迅速に行うためのキーボードショートカット
- 転送メールを見やすく
- ダイアログボックスを減らした
Ascher氏によれば、次のBeta 3が最終β版となり、大きな新機能の追加もそこで打ち止めになるという。新機能の投入はできるだけ早い段階で行いたいとしており、近々ナイトリービルドに入る予定の機能として、次のものを指摘した。
- タブを活用した新しいグローバル検索機能
- メッセージヘッダ領域のさらなる洗練
- アクティビティマネージャを引き立たせる「味付け」
- テーマの見直し作業を開始(よりきれいなアイコンなど)
なお、Webサイトのリニューアルについてだが、デザインはFirefoxのWebサイトを担当したのと同じ会社である。
(09/03/20追記)
Thunderbird 3の各Alpha版またはBeta 1のユーザーに対して、アップグレードの自動提供が開始された。