Mozilla Flux

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FirefoxのBeta版をそれと気付かずに使うユーザーが多いらしい

Mozillaが最近調査したところによると、FirefoxのBeta版ユーザーの多くは、Beta版を使用していることに気付いておらず、アップデートが多すぎると文句を言う人も少なくないのだそうだ。たしかに、アップデートの頻度はずいぶん違う。リリース版なら次のメジャーアップデートまでにせいぜい2回くらいだが、Beta版では10回以上になるからだ。

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それにしても、Beta版を使用していることに「気付かない」というのは盲点だった。ダウンロードするときに、Beta版であることが明示されているではないか。だが、考えてみるとDeveloper Editionのように色彩を変えたアイコンは使っていないし、Beta版の意味を知らなければ、Webサイトに「安定した状態の新機能を試す」と書いてあっても、新機能も使えるFirefoxなのかと思うだけかもしれない。起動時に「これは正式版ではありません」と表示が出るわけでもなく、注意すればバージョン番号の差で分かるが、現在のように数字が大きくなってくると、46だろうが47だろうが一緒のように感じられても不思議ではない。

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Mozillaは対策を検討中で、アップデートをより目立たないものにする、Beta版の安定性を改善する、リリース版に移行させるといったアイデアが出ている。ここでは、ユーザーに気付かないままBeta版を使ってもらうか、それともリリース版に乗り換えてもらうかという選択がある。素直に考えれば、ふつうのFirefoxを使っているつもりのユーザーには、期待に沿ってリリース版を使ってもらうべきなのだろうし、Firefox Test Pilotモックアップ)が正式公開されれば、そちらに誘導することでリリース版のまま新機能を試したいというニーズも満たせる。

ただ、Are We Stable Yet?を見るとデスクトップ版Firefox Betaには2016年4月23日時点で160万のADIがあり、これに近い数のデイリーアクティブユーザー(DAU)が存在している。このうちの何割かはTelemetryを通じてMozillaに利用データを送信しているはずで、単にリリース版に誘導するだけでは(無自覚な)Betaテスターが減ってしまう。リリース版への移行だけが選択肢になっていない背景には、こうした事情もありそうだ。