Mozilla Flux

Mozilla関係の情報に特化したブログです。

IMAPアカウントの全フォルダにメッセージフィルタを適用する方法

crowder’s blog『IMAP filters』に載ってたのでメモ。ただし、Thunderbird 3.0(Tb3)以降が対象。通常は受信トレイにしか適用されないメッセージフィルタを、いちいち「フォルダにフィルタを適用」しなくても各フォルダに適用されるようにする。やり方は、about:configに次の設定を追加。

mail.server.default.applyIncomingFilters = “true”

Tb3ではオプションパネルからabout:configを呼び出せなくなってるみたいだ。[呼びだしにくい。ツール > オプション > 詳細 > 一般 > 「高度な設定」内の設定エディタボタンという手順を踏む必要がある。また、テーマによってはボタンが隠れてしまう。]なのでアドオンを使うのが手っ取り早い。
(同日追記)コメント欄の指摘を受けて修正。

  1. WAT (WebApplicationTab)またはViewAboutをインストール。再起動後、アドオンの機能を利用してabout:configを呼びだす。
  2. 右クリックして、コンテクストメニューから「新規作成 > 文字列」を選択
  3. 設定名に「mail.server.default.applyIncomingFilters」と入力して確定
  4. 値に「true」と入力して確定
  5. about:configの画面を閉じる。

設定を消したいときは、上の手順でabout:configを呼び出し、画面上部のフィルタ欄に「mail.server.default.applyIncomingFilters」と打ち込むと、設定名が絞られるので、項目を選択してから右クリックでコンテクストメニューを呼びだし、「リセット」。

Firefox 3.5から3.6への強制アップデートはなしに?

MozillaWikiのPlatform/2010-01-05に、次のような記述がある。

Major or minor update from 3.5 to 3.6?
 A: Throttled major update on the day of release

Firefox 3.6のリリース日に、制限的なメジャーアップデートを行う。それがミーティングの決定事項だという。これは、おそらく方針転換を意味しているのだろう。

最近までFirefoxの開発責任者たちは、Firefox 3.6をセキュリティアップデートのチャンネルに乗せる道を探っていた。Firefox 3.5.6から3.5.7にバージョンアップするような形で、Firefox 3.6へとバージョンアップさせようというわけだ。その背景には、Firefox 3.6、3.7と立て続けにリリースする中で、ユーザーを最新版に引き込みつつ、古いラインはサポートを打ち切りたいという思惑があった。

しかし、新しい計画では、Firefox 3.7(仮称)は3.6と同じGecko 1.9.2をベースにする。Firefox 4.0はGecko 1.9.3ベースとなるが、従来のプランよりは基盤部分の開発スケジュールに余裕ができ、それに伴って同一の期間内にたくさんの開発ラインを抱え込むおそれも低下した。

そうなると、無理やりGecko 1.9.1のサポートを打ち切るべき理由が消えるわけだ。アドオンが完全に対応していない状況でユーザーにバージョンアップを強制し、不満の渦を巻き起こすリスクを取るべき理由も同様だ。だから、「メジャーアップデート」の道を選んだ。

Firefox 3.5がリリースされたときは、Firefox 3最新版のユーザーが「ソフトウェアの更新を確認」すれば、当日のうちにバージョンアップできるようになっていた。Firefox 3.6では一歩進んで、リリース直後からユーザーに少しずつメジャーアップデートの通知を送っていく。サーバーへの負荷を考えれば妥当な措置だろう。

Firefox 3.7かそれとも3.6.2/3.6.3か

Firefox 3.6の次に来るものが、コードネーム「Lorentz」であることは確定している。だが、その名称をFirefox 3.7にすべきか、それとも3.6.2/3.6.3にすべきかが決まらない。事は、たんに名前の問題では済まないからだ。

これまでのMozillaであれば、迷わずFirefox 3.7の名称を選んだことだろう。セキュリティと安定性に関するリリースは、大きな機能の追加を厳格に制限してきた。しかし、mozilla.dev.planning「Firefox "Lorentz" and 1.9.2/1.9.3」での議論を眺めていると、開発責任者の一部は、その制限を取り払いたがっているような気がしてならない。

Lorentzのプロジェクト責任者であるBenjamin Smedberg氏は、プラグインの別プロセス化(OOPP)が3月に準備できたとして、新しいアップデート機能が4月にずれ込む場合、Firefox 3.6.2でOOPPを投入し、3.6.3で残りを入れることもできるとする。「Firefox 3.7」の看板を掲げると、予定された新機能は一気に実装しなければならないが、3.6.x方式ならばできたところからリリースしていけるわけだ。

3.6.x方式は、Firefoxの開発スケジュールが遅れがちなことを考えても、理にかなっている。上に挙げたOOPPにしても、予定どおり3月に完成する保証はない。そこで、Flashプラグインの別プロセス化を先行させることでコンセンサスができており、しかも開発者ミーティングではWindows版のFlashに限るかもというところまで後退した。下手をすると、OOPPの完成は3.6.4や3.6.5を待たねばならない。それでも、3.6.x方式なら少しずつ対象を広げていける。

もう一つ重要なのは、3.6.x方式を採用することで、アップデートによってアドオンを無効にする必要がなくなる点だ。Firefox 3.6のケースとは異なり、Lorentzが自動アップデートによって提供されることはほぼ確実といえる。アドオンがいきなり無効になれば、ユーザーに与える影響は大きい。できるだけユーザーに負担をかけない扱いが望ましい。

他方で、本当に互換性を維持できるかという問題もある。アドオンが無効にならないのだから、本体とアドオンの衝突によって不具合が生じるのも止められない。加えて、セキュリティアップデートとそうでないものの境目も曖昧になる。開発者とすれば、自分が開発した機能をすぐにでもユーザーに使ってほしいだろう。これまでは謙抑的な運用をしてきたから、パッチの投入を申請した開発者を納得させることもできた。だが、Mozilla自身がルールを破ってしまえば、「どうして俺のはダメなんだ」という意見も出てこよう。

まだ決定はされていないが、Lorentzが非常に難しい状況にあることは間違いない。